コラム-しっぽの向くまま

散歩に行きたくない柴犬 vs 行かせたい飼い主の心理戦【完全攻略…のつもりが未だ道半ば】

「散歩行くぞ〜」と張り切って声をかけたのに、当の柴犬"銀太”はというと、こちらをチラッと見てまた寝返り。


…おいおい、こっちは朝から靴下まで履いたんだぞ?

柴犬との散歩って、毎日が小さな攻防戦だ。


“柴犬 散歩 行きたくない”“柴犬 散歩 拒否”なんて検索ワードでここに来てくれたあなた。


たぶん、私と同じ沼にハマっている同志だろう。

柴犬という生き物は、ただ「散歩=外に出ること」とは思っていない。


あいつらにとって散歩とは、その日の気分と、プライドと、天候と、飼い主のテンションのすべてが整った時だけ許される儀式なのである。

◆柴犬が散歩を嫌がる理由:おじさん目線で語る5つの真相

① 寝起きは人間以上に“やる気ゼロ”

朝の柴犬は、まるで二日酔いのおじさん。


目は開いてるのに心はまだ布団の中。


無理に連れ出そうとすると、睨まれたことすらある。

② 気温に正直すぎる問題

夏は暑いと歩かない。冬は寒いと歩かない。


つまり“春秋しか本気を出さない犬種説”が濃厚だ。


特に冬、玄関の外の空気をクンクンして即Uターンされた時の虚しさよ。

③ 「今日は気分じゃない」宣言の日がある

リードを見た瞬間、サッと距離を取る日がある。


まるで私の財布から焼肉代が出てくるタイミングを察した子どもみたいな反応だ。


あれは「あ、今日は外の気分じゃないです」の合図。

④ 昨日の散歩が120点だった翌日

前日に少し遠出して遊んだ日は、翌日は必ずと言っていいほど休暇申請が出る。


「昨日あれだけ歩いたし、今日は有給取ります」みたいな顔で見てくる。

⑤ 実は散歩拒否じゃなく「ルート交渉」の時も

家の前で動かないので抱き上げて他の道に置いてみたら、スタスタ歩き出した日がある。


どうやら「行きたくない」ではなく「今日の行き先はそこじゃない」だったらしい。


誰が散歩の主導権を持ってるのか考えさせられる瞬間だ。

◆柴犬の散歩拒否あるある5選(=飼い主の心を削る技)

  1. 玄関で置物化
     仏具店で売られてても違和感ないほど動かない。
  2. 植木と同化して気配ゼロ
     「どこ行った!?」と探したら隅で葉っぱと同化してる。
  3. リード噛んで交渉開始
     「条件次第では行ってあげなくもない」的な顔。
  4. 進行方向ガン拒否
     頑固さはもはや昭和の親方クラス。
  5. ため息という高度な人間技で抗議
     なぜ犬にため息で諭されねばならんのか…。

◆おじさんが試して効果を感じた“心理戦テク7選”

※ここからは私が実際に編み出した(もしくは柴に教えられた)戦略だ。

●「犬が自分で決めた感」を出す

ドアを開けて「どうする?行く?」と選択権を渡す。


一歩でも外に出たら「おお〜行くのか!えらいなぁ!」と全力で褒める。


小さな自尊心をくすぐるのがコツ

●いつもの散歩に“サプライズ感”

遠回りしてコンビニの前を通るだけで犬はワクワクする。


(私は肉まん買えるし一石二鳥だ)

●「1分だけ外出作戦」

“とりあえず外気を吸わせる”。


不思議と、そのまま歩くことが多い。


人間の運動も同じで、靴さえ履けば行ける理論。

●声かけはテンションが9割

「散歩行くよ」より「パトロール頼む!」「探検行くぞ!」のほうが断然食いつきがいい。


私も最初は照れたが、犬相手に恥ずかしがってる場合じゃない。

●ご褒美のタイミングは“帰宅後”

先にあげると「食ったし今日は休みで良くね?」に変わる。


“成果報酬制”がベスト。

●季節に合わせた装備で快適度UP

レインコートや冬服は“着せる時の演技”が大事。


「かっこいい〜似合う〜!」と褒めちぎると得意げな顔をする。

●飼い主の演技力は重要スキル

犬は空気を読む天才なので、こちらがダルそうに準備するとバレる。


多少誇張してワクワク感を出せば成功率は跳ね上がる。


◆NG行動(おじさん、何度もやって学んだ)

  • 引っ張るのは逆効果
     力で動かすと恨まれる。次回はさらに動かなくなる。
  • 先にオヤツは禁物
     “報酬だけ先取りして本番拒否”という賢い悪手を覚える。
  • 長期戦は負ける
     柴犬は粘り勝ちのプロ。
     話し合いは短期決戦に限る。

◆季節・年齢で変わる柴のやる気スイッチ

  • :早朝か日没後。保冷剤バンダナは効果絶大。
  • :短時間×回数分割。無理に長く歩かせない。
  • シニア:散歩は“運動”より“ケアと気分転換”。

年齢を重ねた柴は、人間でいう「健康のための散歩」。


距離より、匂いを嗅いで満足する時間が大事らしい。

◆我が家の5年間の散歩攻防戦の記録

最初は私が主導権を握っていた…はずだった。


だが1歳半を過ぎた頃から、うちの柴(名前は銀太)は突然、散歩に対して哲学的になった。

玄関前での黙秘、ため息、座り込み。


あの三段拒否技には、正直負けを認めざるを得ない日も多かった。

そんな私が最終的に辿り着いた答えは、


「選択肢を与えて尊重する」という方法だった。

「公園?商店街?裏道探検?」と聞くと、


銀太は行きたい方向にスタスタ歩き出す。


“自分で決めた散歩”は気持ちがいいらしい。

◆まとめ:柴犬の散歩は「筋力」より「心理戦」

最後に、おじさんからのアドバイスを3つだけ。

  1. なぜ行きたくないのかを観察する(天気・気分・ルート)
  2. プライドを尊重し、決めた感を与える
  3. うまくいった日は思いっきり褒める

柴犬との暮らしは、想定外と笑いの連続だ。


言うことを聞かない日もあれば、信じられない可愛さを見せる日もある。


その“面倒くささごと含めて愛しい”のが柴犬なんだと思う。

明日も散歩拒否されるかもしれない。


でも、それもまた良し。

——柴犬と暮らすって、そういう幸せだ。

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