
今日も始まった、柴犬とおじさんの“静かな戦い”
夕飯の支度をしていると、気配を感じるんです。
振り向くと、案の定、うちの柴犬 ”銀太” (以下、銀太)が立派な三角耳をピンと立て、目ヂカラ120%でこちらを見つめている。
―――「その手にある唐揚げ、ちょっとでいいからください」

言葉は発していないけれど、目がそう言っている。
柴犬の視線って、本当に鋭い。あれは“犬の上目づかい”なんて可愛いレベルじゃない。
もはや 「食べ物レーダー」 が搭載されているんじゃないか、と思う。
なぜ柴犬は、あんなにも食べ物に対して貪欲なのか?
これは飼い主の間でよく検索される疑問らしい(“柴犬 食べ物 しつこい”“犬 おねだり 行動心理”など)。
専門家ではないが、長年の付き合いから、おじさんなりの考察をしてみる。

① 臭覚アンテナが高性能すぎる
包みを開ける「パリッ」という音だけで駆けつける。
たぶん唐揚げの香り分子を、2km先からでも察知できる。
② もらえるかもしれない“ワンチャン”を常に狙っている
この“ワンチャン精神”は、人生100年時代のおじさんも見習いたい。
③ 諦めない。目で語る。意思が強い。
柴犬は頑固といわれるが、食べ物の前ではその頑固さが最大化する。
「絶対にもらう」モードの時の、柴犬の五段活用
我が家の柴犬に限らず、多くの飼い主さんが同じ経験をしているはずだ。

- じっと見つめる(まずは観察)
- 尻尾をゆっくり振る(愛想アピール)
- お座り・伏せを勝手に披露(仕事できる感を演出)
- 前足ちょいちょい(最終アピール)
- もらえないと悟ると、ふて寝(柴犬特有のツン)
特に最後の「ふて寝」。
あれは間違いなく「いや別に欲しくなかったし?」という 柴犬のプライド演出 だ。

しかし、こちらも“諦めない”。攻防戦は続く。
食べられないように皿を遠ざければ、椅子の影からそっと覗く。
立ち上がれば、すかさず横に座る。
食べこぼしが落ちれば、落下地点の計算は秒速。
そんな攻防戦を繰り返しているうちに、わたしは気づいた。

「ああ、銀太のやつ、家族の食卓を全力で研究しているな」
おそらく、うちの柴犬は我が家で一番“観察力のある研究者”だ。
なにしろ、わたしより集中力がある。
ささやかな勝利と、ささやかな敗北
ある日、ポテトチップスを食べていた時のこと。
銀太は例の“鋭い視線”でロックオンしてきた。
しかしその日は、わたしも負けられない。
そっと視線をそらし、動揺を見せないように食べ進める。

……が、最後の一枚の瞬間。
気づけば目が合っていた。
「……どうぞ?」
と言われた気がして、結局ひとかけらあげてしまった。
もちろん犬用の安全なおやつに変えて、だが。
(ポテチは塩分が高いのでNGです。ここは飼い主として大事なポイント。)

銀太との攻防戦、勝ったり負けたり。
だが、このやり取りこそが、日々の小さな幸せでもある。
まとめ:柴犬の目ヂカラは、今日もおじさんを揺さぶる
・食べ物に対しての執念がすごい
・“諦めない姿勢”がやけに胸に刺さる
・ツンデレっぽく見えて、実は熱意の塊
・そして、負けると分かっていても、どこか嬉しい

柴犬と食べ物の攻防戦は、もはや我が家の「文化」になっている。
今日もまた、夕飯の匂いにつられて、あの視線が飛んでくるだろう。
―― さて、今日はどっちが勝つだろうか。
